令和5年度(第26回)高等学校教諭に対する広告研修会 開催

同研修会を、東京都商業教育研究会(都商研)、東京都公民科研究会(都公社研)の教諭を対象に開催しました。
講師に竹嶋理恵氏(㈱電通サステナビリティコンサルティング室 エグゼクティブ・ディレクター 電通TeamSDGsリーダーSDGsコンサルタント)をお招きし、演題を「サステナビリティ推進のための広告業界の役割とさらなる推進のためのヒント」としてお話いただきました。

1.SDGsやサステナビリティを取り巻く環境

SDGsは2030年のゴール(ありたい姿)に向かって今何をすべきかというバックキャスティング思考に基づいており、先端テクノロジーの活用、産官学の連携、環境負荷軽減、新たな社会インフラ実装など非連続なイノベーションが求められています。

2023年3月の調査では、生活者の9割以上がSDGsの名称を知っており、「脱プラ」など消費にまつわるキーワードの理解度や実践意向も高まっていて、学生が就職先企業を決めた理由でも「社会貢献度が高い」が3年連続で1位になるなど、若い世代にもSDGsの意識が浸透してきました。

これは、企業の商品やサービス改善の努力によって商品選択や暮らし方にもさまざまな選択肢が生まれたことと、テレビや新聞など各種メディアにおける様々な切り口の情報発信によるものと考えられます。今後も暮らしに対する考え方やスタイルとして定着・拡大していくと思われます。

2.SDGsやサステナビリティ推進のために必要なこと

SDGsを推進するためには、企業として「志」を伝え、人々から共感や賛同を得られるかが大切です。そして仲間やファンを増やし、それをビジネスや収益につなげていけるかどうかが鍵となります。これまでの固定観念にとらわれずに、社会全体を変えていく機運づくりと、誰もが参画しやすい仕組みをつくっていくことが重要になってきます。

広告界がSDGsやサステナビリティ推進のために貢献できることは、広告PRだけでなく、イベントや空間など体験可能な機会づくり、デジタルやバーチャルなど最新技術を活用した仕組みづくり、新たな商品やサービスの開発、様々なステークホルダーとの連携など多岐にわたります。これらの具体的な取り組みが社会全体を動かしていく機運の醸成と、社会への実装につながっていく。その取り組み方は教育現場や若い世代にとっても何かのヒントになるはずです。

SDGs達成やサステナビリティの推進は、中長期な時間がかかる難しい問題なので、新しい価値観や暮らし方をどう変革していくか、若い世代も含めて様々な人たちがどう連携していくかが大きなカギとなります。広告界としても貢献できることは多く、ぜひ若い世代や教育現場の皆様とも連携させていただきたいと思っています。

【参加した教諭からの感想】
  • 広告会社がSDGsといった社会課題にどのように関わるのかを考えることができた。利益追求だけではない、今後の社会が向かう方向性を示すという意味の「広告」ができるのではないかと思った。
  • 企業と社会をつなぐ立場にあるからこそ柔軟に動ける良さもあるので、教員も広告会社を媒介して取り組むという発想を持っても良いのかなと思った。新しい発想を得られたのは良かった。
  • SDGsの様々な事例をお聞きして、授業で話せる話題が増えた。最先端の広告業界のトレンドを知ることができ大変興味深かった。
  • サステナビリティへの取り組みが具体的にわかり興味深かった。SDGsウォッシュと言われない取り組みが普及進展しうるのか、2030に向けて歩みは遅いと感じた。

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