第2回では「Well-beingに関する広告コミュニケーション事例(環境編)」をテーマに、さまざまな事例紹介を行いました。続く第3回では「社会編」と題して、社会をWell-beingにしている国内外の事例を紹介していきます。
国内事例
社会をWell-beingにしている事例として、よりよい社会をデザインしていくために、「Well-being」という概念と新指標を、これからの時代の社会アジェンダにしていく企業コンソーシアム「Well-being Initiative」でのシンボリックアクションをご紹介いたしました。
Well-being Initiativeとは)
日本経済新聞社と公益財団法人Well-being for Planet Earth、有志の企業や有識者・団体が連携して発足した企業コンソーシアムです。
現在、将来世代と企業が積極的に対話することは、社員や顧客、社会全体のWell-beingの向上や、持続可能な事業成長と社会との共存を求める投資家の評価においても重要になっています。
そこで、「Well-being Initiative」では、参画企業で連携し、重要なステークホルダーである株主・社員・顧客・取引先・地域住民などに、未来を担う「将来世代」を加え、継続的に対話をしていく「FR」活動の開始を2023年12月14日に共同宣言いたしました。「FR」は株主や投資家向けに行う活動「IR(Investor Relations)」に対する造語として、「Future Generations Relations」を略した言葉で、将来世代と対話し関係性を築く活動を意味しています。
まずは、このイニシアチブに参画している企業から「FR」という考え方を打ち出していきますが、今後多くの企業でもFR活動がはじまっていき、企業と将来世代の対話が根付いていくことで、社会をWell-beingにすることにつなげていければと考えているシンボリックアクションです。
昨日共同宣言時点では、このシンボリックアクションに15社が賛同しています(アサヒ飲料、EY Japan、NEC ソリューションイノベータ、サンフロンティア、住友生命、第一生命保険、東宝、TOPPANホールディングス、パーソルホールディングス、富士通、ポーラ・オルビスホールディングス、丸井グループ、三井住友トラストホールディングス、森永乳業、ロート製薬)
さらには賛同企業各社からは同日に共同のプレスリリースも配信され、大きな話題となりました。これからも多くの企業が将来世代と対話し、学びを得て、経営に反映するアクションを取ることで、社会をウェルビーイングにすることにつながっていくことを目指しています。
これらの事例を踏まえながら、後半では、だれかを貶め、分断を煽るようなコミュニケーションを実施したことで思わぬ炎上をしてしまったさまざまな事例をもとに、勉強会を開催いたしました。
このように、Beyond GDP、ポストSDGsのアジェンダとして注目され、世界規模でWell-beingに対する枠組みが形成されつつあるWell-beingに対して、流行り言葉として捉えるのではなく、「だれのためのWell-beingか?」の解像度を高めながら取り組む必要があります。
次回の勉強会では、さらWell-beingが企業に及ぼす影響についてご紹介をしたいと思います。